前面道路向かいの広い公園のランドスケープを借景とし,敷地内の庭と一体化させることを計画の主軸とした住まいです。庭に面する居間の吹抜け部に計画した大きな木製建具によって,その奥に配置した食堂や台所からも,公園の丘陵に立つ「大樹」への視界が広がっていきます。居間と食堂との境界に「大樹」と対になるようなケヤキの「大黒柱」を設けることで,住まいと公園との関係をより親密に繋げようと試みました。メインの棟は道路から少し高い庭に合わせたレベル設定を行なっているため,道路側の棟と階段室で繋がれたスキップ構成となっています。何気ない日常が生き生きとした家族の記憶となるよう,集まって過ごす居間には,薪ストーブとハンモックによって活気と静けさを同居させようと試みました。