DODICI

コンセプト

卓越した飲食店がしのぎを削るエリアに,イタリア料理の新規店として開業した店舗である。奥行きの深い敷地において,料理が供されるテーブルに向かうまでの長くなりがちな道程を,いかに印象深いシークエンスとするかが本設計での課題となった。亭主と客人とが時間と場を共有し,心を一つにする空間経験を創出することを主軸として設計を進めた。深い色合いで統一された外観の透かしレンガからは前庭の植栽や光が洩れ伝い,一歩軒をくぐればガラス越しにエメラルドブルーの階段室やワインセラーの先の石庭が垣間見えるというように,空間の前後が驚きや変化を伴って繋がる。空間は,イタリアン漆喰,南洋の木材,和紙,石,羊毛の絨毯など自然素材で装い,マテリアルの可能性と職人らが作り出す力強い表現を生かしたインテリアとした。庭に向かう一階個室の静謐さと対照的に,二階客席ではキッチンの活気とそれを受け取る客人とが呼応するライブキッチンを採用した。

DATA

名称: DODICI
所在地: 京都市中京区
URL: https://dodici-kyoto.jp/
用途: 飲食店
構造: 木造
規模: 地上2階建
敷地面積: 99.15㎡
建築面積: 76.09㎡
延床面積: 138.89㎡
竣工年: 2020年
掲載誌:
設計: プリヤデザイン一級建築士事務所
施工: 株式会社 山庄
撮影: 松村 芳治
タグ: