モルタル仕上げの外壁が目を引くこの家は,菖蒲池の住宅街に位置する。ヨガのインストラクターである施主の要望をうけ,自然素材の表情を大切にした住まいである。化粧梁の連続する天井が,庭に向かう内部空間を大きく包み込む。壁には柔らかな表情の和紙,床には荒々しい表情の石調タイル,アクセントとして朱色の鉄部等,複数の自然素材を融合し要望に応えた。ヨガのレッスンルームを兼用する和室は,玄関とリビング双方から動線を繋げ,リビング越しの庭への眺望を取り入れるべく小上がりとして計画した。また各部屋は大屋根の下で,庭を中心に据え,雁行しながらゆるやかに繋がる。10年近くの年月を経て,前庭や中庭では木々が勢いを増し,自然や家族が一体となる住空間の佇まいとなった。