桂地区の閑静な住宅街に建つこの住宅は,3つの異素材(左官材,レンガタイル,無垢の木材)の組み合わせによる外観が特徴的な住宅です。交通量の多い2つの道路に面するこの敷地では,いかに外部と関わるかが課題となりました。そこで外周部は可能な限り閉じ,採光や通風は中庭から得るような計画としました。玄関の先に続く中庭の閉鎖性を避けるべく,庭に面したガラス框戸を引き込めば,内外が一体化する仕組みとしています。また,中庭への日射に配慮して玄関棟をリビング棟より低くした結果,中庭越しに向かい合う部屋は高低差により視線の制御が可能となり,分割された外観ボリュームも周囲の街並みにそっと馴染む住まいとなりました。