小山の家

コンセプト

敷地は京都市内でありながら比較的ゆったり敷地を確保できる住宅街に位置する。現在の京都市内では希少となりつつある整然とした矩形と敷地の広がりの中で,周辺の民家の雑多な印象を視線からはずしながらいかに生活空間を構築するか,それが設計の最初に考えたことだった。庭の中に住む,そのような感覚で設計を進めていきたいと思った。主空間となるリビングを敷地の真ん中に据え,それを庭で囲むような構成で他の諸室の配置を決定していった。前面道路との境界にはあえて塀を設けず,大きな平入り屋根と植栽帯で迎えることにより,周辺景観に溶け込む佇まいを装った。それでも邸宅としての趣きと安堵感を象徴するように,玄関までの導入として駐車場の小脇に設けた門扉から中庭に導かれるように石畳のアプローチを作った。躯体の隙間を抜けて内部空間には十分な光と風が届けられる。生い茂る庭に包まれた生活が展開されるよう,今後の木々の成長に大きく期待を寄せている。

DATA

名称: 小山の家
所在地: 京都市北区
URL: -
用途: 専用住宅
構造: 木造
規模: 地上2階建て
敷地面積: 324.91㎡
建築面積: 183.06㎡
延床面積: 298.01㎡
竣工年: 2022年
掲載誌:
設計: プリヤデザイン一級建築士事務所
施工: 株式会社 ニカク工務店
撮影: 松村 芳治
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