京都市内の疎水に面するマンションの改修です。アンティークの蒐集品と絵画と共にある生活を要望されました。玄関の土間空間を,内外部を隔てるステンレス製の透かし扉まで引き込み,壁に埋め込んだガラスのショーケースをアイスポットとして,マンション玄関特有の狭さを払拭しようと試みました。シンプリシティを信条とする施主に応え塗り壁とタイル床でシンプルにまとめた内部空間は,既存の梁型を利用して仕込んだ間接照明からの柔らかな光に満たされています。採光が確保できない浴室は,在来工法により洗面所とガラスで一体的に構成し,回遊動線を取り込み広がりのある空間としています。