明治期に建設された和風建築の部分改修です。広大な廻遊式庭園を有する敷地には,和風建築の他,今は廃墟となったレンガ造の西洋館が存在します。時代は流れ,現在は企業の所有となり,顧客を接待する施設として利用されています。改修前は,和風建築の一部が大きく傾き,また部分的に補修された継接ぎ跡が全体のバランスを損ねているように感じられました。そこで西洋館から和風建築,そして庭園までの一連の空間体験を統合するようなデザインモチーフを導入し,全体の修景を行いました。特に傾いていた応接室周りは家揚げを行い,内装には西洋館を彷彿させるようなデザインを施しています。