居住空間の他にヨガスタジオを併設した,京都市街地に建つ住まいである。病院のある大通りから一筋入った住宅街の「角地かつ細長い矩形」という敷地に,駐車場用地を含め敷地を余すことなく配分することから考え始めた。大通りの中高層の並びとは対照的に,周辺は2階建てや平家の戸建てが目立つ。ちょうどそれらの接続部に位置することからも,高さを違えた2つのボリュームで住宅を構成し,余白を庭や駐車場として捉えた。細長い平家にはアプローチと玄関,ヨガスタジオといった外向きの機能を,またキューブ様の二層部分には内向きの居住空間の機能を入れ,勾配屋根と陸屋根といった異なる形態として表現した。余白部には3つの庭があり,住まいの連結部として日常の何気ない生活に潤いをもたらす。また出迎えの場となるアプローチ空間は,無釉のせっ器質タイルの列柱と,表しにした梁の連続性によって,訪問者をリズミカルに内部へと引き込む。