山科の家Ⅰ

コンセプト

旗竿敷地を分割し2つの旗竿敷地として隣り合わせた,姉・妹家族のための2つの住宅である。敷地の特性を活かし,路地には右左たがい違いに植栽帯を設け,車通りの多い道路から奥まった位置に静かな住環境を確保した。敷地の北側は大型マンションに隣接しているため,それぞれの敷地の間にひとつの中庭を配置し,それぞれの家屋は中庭を取り囲むような外形として閉じることで快適な住環境をつくった。生活は庭に向かって開く計画のため,内部には十分な自然光や通風を導くことができる。とはいえ,生活はそれぞれに独立する必要がある。そこで南側の住宅をスキップフロアとすることで,中庭越しに互いの主空間を半階ずらす構成として,この課題に応えた。北側に建つこの住宅は,中庭を中心としたコの字型の計画である。紅葉で彩った庭にはテラスを設け,LDK空間と一体的に繋げて広がりを確保した。玄関扉を開くと紅葉の先のテラスまで土間空間が連続する。玄関と浴室は庭を挟んで向かい合うため,テラスの植栽帯を腰高に設定し,緑を浴室の庭としても楽しめるよう視線への配慮を行った。

DATA

名称: 山科の家Ⅰ
所在地: 京都市山科区
URL: -
用途: 専用住宅
構造: 木造
規模: 地上2階建て
敷地面積: 202.73㎡
建築面積: 74.77㎡
延床面積: 123.10㎡
竣工年: 2020年
掲載誌:
設計: プリヤデザイン一級建築士事務所
施工: 株式会社山庄
撮影: 今西 浩文
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